溺愛クルーズ~偽フィアンセは英国紳士!?~
クルーの鏡の様な回答に、私の方がどう返事をしていいのか悩むほどだった。
「ジェイドさん、女性に優しいから私を庇っているだけなんだよね」
だから、――だから。
「私を巻きこまないで話しあえば良いのにって逃げて来たけど、私と甲斐がちゃんと話しあう必要があるってことなんだ」
逃げてきた私を、ジェイドさんは責めないし、恋愛が終わるのも堕ちるのも二人の問題だと言ってくれた。
「悩みが解決したみたいですね。さっき、死にそうな顔をしていましたよ。青空より真っ青な」
「ありがとう。だから声をかけてくれたんだね。ブラウさん優しいですね」
「コンシェルジュとして、当然のことです」
間髪いれずにそう言った癖に、ブラウさんは嬉しそうだった。
ケイリーさんみたいに、隙の無い完璧なコンシェルジュさんも安心するけど、
ブラウさんみたいに気遣いも出来るのにどこか可愛いコンシェルジュさんも素敵だ。
「うん。本当にありがとう。じゃあ、やっぱり私も甲斐に会いに行かなくちゃ」
「エスコートしますよ。面白そうですし」
ブラウさんはお茶目にウインクすると、アイスに被りついた。