溺愛クルーズ~偽フィアンセは英国紳士!?~

言いたいことがあり過ぎて睨み、見上げてしまっていたら、ブラウさんが間に入ってくれた。

「ジェイド船長は?」
「ああ、えっと喫煙ルームへ行かれたので、そのまま昼食タイムになりまして」
「喫煙」

そうだった。
ジェイドさんって煙草吸うんだった。
同じ部屋なのに、バルコニーでも吸わないから忘れてた。


「では、私が昼食の手配を致しますよ。専務様のご案内は私が」

そう言って、ブラウさんが上手く甲斐の上司をレストランへ案内してくれた。

神経質そうな小太りのおじさんだったけれど、入社式で見たことがある。
確か、社長の弟だったはずだから、甲斐の叔父に当る人だ。

一社員の私なんて、覚えても居ないのは当然だけど、じろじろと私を値踏みするように見ながら去って行った。

「……」

いきなり二人きりはちょっと心の準備が無かった。

「取り合えず、中に入って話そう」

「そうだね。部屋中、その香水の匂いなら嫌だからバルコニーでも」
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