溺愛クルーズ~偽フィアンセは英国紳士!?~

ゆっくりとドアから身体ごと離れると、ジェイドさんが飛び込んできた。

「ナホ! 無事か!」

すぐに、肩を抱き寄せて怪我は無いかと私を見つめてくる。
触れられた大きな手に、もう自分の気持ちを偽ることなんて出来なかった。

最初から、一目会った時からずっと。

私を心ごと抱き締めたあの夜からずっと私はこの人が好きで。

必死で好きじゃないと否定して、そんなはずは無いと頑なに惹かれないように距離を取ろうとしたのに。

自分から胸に飛び込んで、抱き締めて欲しいと強請った。

もうこれ以上、気持ちを押さえるのは辛いけど、
甲斐の時みたいに玉砕すると分かっていて思いを告げる勇気もない。

こうして心配して、窓を割ろうとしてまで私の為に駆けつけてくれるだけでいい。

それだけで涙が出るほど嬉しい。

肩に置かれた手を取ると、頬に引き寄せて頬ずりした。

「飛び込んでくれて、ありがとう」

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