溺愛クルーズ~偽フィアンセは英国紳士!?~

そんな顔、ズルイ。
心配してるのを押し殺そうとして強張っている、バレバレの顔なんて。

キラキラと空から朝日がショッピングストリートへ降り積もる中、私ももう覚悟して笑う。

「7日間だけ、彼に頼まれて婚約者のフリをしているの」
「フリ? なんで?」

「海外で一人捨てられた私を、救いだす為の」

エスカレータを降りてそのまま、ガラス貼りになっている温室がある方角へ向かう。少し上からは温室の天井に届きそうな木々が生えているのが見える。

「真面目に聞いてるんだから、真面目に答えろよ」
「もう私に関わらないで欲しい。だって、私はもう貴方の悩みや相談を聞いて、貴方の自尊心を満たしてあげられる役には二度と戻りたくないし、戻る気もないもの」

きっぱりと言い放つと、ポカンとした甲斐が固まってしまう。
それを横目に、植物園のスタッフの誘導の元、中へ入った。

本当はジェイドさんと一緒に行きたかったのに、甲斐と行くなんて余計に惨めになる。

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