溺愛クルーズ~偽フィアンセは英国紳士!?~

「お前はそれでいいのか? 7日間だけの形だけの婚約者なんてやって」
「満足よ。一見さんが乗れないような豪華客船に乗れて、可愛い服や美味しいものを食べて」

「お前は、そんな物欲で判断しないって。俺ら、八年も友達だったろ?」
「……」

甲斐は、人懐っこい犬みたいな性格で真面目で、自分がフッた相手が更に不幸になるのを全力で止めたいのが見て分かる。

それが私にとってもお節介で、突っ込んできて欲しくない領域であっても。

「友達だったのを壊したのは、甲斐でしょ?」

ツンとそう言うと、申し訳なさそうに口籠る辺り押しが弱い。
案内された動物園は、亀が泳いでいる池と、ペンギンが泳いでいる水槽の二つだけだった。
けれど、丁度ペンギンに餌を与える所だったようで親子連れやカップルで賑わっていた。


今回のクルーズに乗っているのは、あの沈没船に乗っていた人たちや関係者、そしてジェイドさんが日本へ行くと聞いて、新しい経路を探りに来た会社関係者が大勢乗っていると、ブラウさんが言っていた。
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