溺愛クルーズ~偽フィアンセは英国紳士!?~


だから、私と甲斐の関係を知る人たちも、甲斐の彼女でさえ居ない。

「甲斐と初めてまともに喋ったのは、やっぱりあのバスケの試合だった。一年でレギュラーで、期待や嫉妬や妬みで本当に応援してくれている子も信じられなくなってて、無茶して結果として試合に響いちゃって」

人は、終わってしまった恋を振り返るとき、どんな感情が浮かぶんだろう。
ずっと思っていた相手を、上手に諦めるってどうすればいいんだろう。
冷めちゃったら、どうなるのか。そもそも冷めるのか。

「いつも自分で空回って、自分で自分を追い詰めて。爪が剥がれて、やっと一人で苦しいって分かって声を殺して泣いてたのに、――あんな風に恰好よく現れて、保健室で先生が帰って来るまで手当てしてくれたら、期待しない方が無理だったわ」

「そんな事もあったよな。覚えてるよ。七帆は影で泣くタイプだってあの時から分かってたのに、俺」
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