溺愛クルーズ~偽フィアンセは英国紳士!?~
少し口籠りながら、馬鹿正直に話してくれた。
「本当に七帆が彼の婚約者で、幸せに包まれていたら、キミはうちの会社社員だし話も上手くいくかもしれないから」
「あはは。私なんかに口を聞いて貰おうとしたのね」
「ごめん」
「ううん。まだそっちの方がマシよ」
「けど、もう契約を結ぶ自信はないよ。嫌われたし、俺も嫌いだし」
頭を掻き、無理にワックスで纏めていた髪を崩すと、漸くいつもの甲斐らしくなってきた。
「じゃあ、ビジネスと関係なくその事を話し合えば良いと思うよ」
「うわ。きつ」
「でも、自分の会社と仕事して欲しいならね。ジェイドさんは本当に良い人だし、優しいしちょっと可愛いから大丈夫だよ」
「何を基準に大丈夫なのか分からないけど、取り合えずさっきの暴言は謝罪してくるよ」
「うんうん。頑張ってね。協力はしないけど」
ただ、甲斐とはもう蟠りは無くなったことだけは、ちゃんとジェイドさんに伝えておこうと思った。