溺愛クルーズ~偽フィアンセは英国紳士!?~


甲斐は、やっと本来の人懐っこい誰からも好かれるワンコのような前向きな性格に戻って、ケイリーさんを捕まえて謝罪に向かった。

私は、もう夕方になるしと、一日目で禁酒したはずのアルコールを片手に部屋へ戻る。
スイートルーム以上の部屋の人にはシャンパンとカナッペの無料サービスがあったので、図々しくも受け取ってしまった。

あと二日。

正確には明日の夜。
オーダーメイドしたドレスも靴も完成している。どんな服なのかはジェイドさんんにほぼ任せちゃったし、出来上がりが楽しみだ。
そこでシンデレラの様に楽しいひと時を過ごしたら次の日起きたら日本に着く。そこで魔法が溶ければ御終いなんだ。


「ああ、いらっしゃいました。美山さま」

エレベータに乗り込もうとした私に声をかけたのは、やはりまだ私服姿のブラウさんだった。

「先ほどはありがとうございました。どうしたんですか?」
辺りを見回しながら、小声でブラウさんは話しかけてくる。
「客船最上階デッキにある展望ラウンジ『ロコ・ラウンジ』で船長と今田さまが話されていましたよ」
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