溺愛クルーズ~偽フィアンセは英国紳士!?~


はっきりと今度こそ突きつけられた現実。

彼の口から聞いてしまったのだからもう言い訳なんて私には出来ない。

恋愛対象にさえなっていなかったんだから。

「それは、七帆が可哀想だ――」

ガタン

甲斐がまだ何か言いかけていたが、私はつい無意識に身体を後ろへ後ずさってしまい、その際に看板を倒してしまっていた。

「誰だ!」
ジェイドさんのその声に、私は金縛りにあったかのように動けなくなってしまった。

どうしよう。

「私です。失礼いたしました。ジェイドさま、今田さま」
私を庇うように前に出てくれたのは、ケイリ―さんだった。


「ケイリーさん」

「ブラウが此方へ向かわせたと聞き、慌てて追ってきました。気まずくなったら申し訳ない。このまま降りて下さい」

ケイリーさんは、小声でそう言った後、すぐに二人の元へ駆けだして行く。

「すいません。ノックの代わりにうっかり倒してしまいまして」
「ケイリーだったか」
「飲み物は如何ですか?」

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