溺愛クルーズ~偽フィアンセは英国紳士!?~


「ナホ?」

「ん?」

「タオルケットも掛けず眠っていたら風邪を引くよ。着替えたらどうかな?」
「わっ」
慌てて飛び起きると、目の前にジェイドさんの顔があった。

朝のボルダリング場で離れて、甲斐のいるスイートルームで助けて貰ったのが昨日のことのように感じた。
それほど離れていた気がする。
本当は数時間程度なのに。

「アニマルタオルが可愛くて、抱き締めて眠ってたみたい。ジェイドさんは、その、仕事の方は?」

「ああ。まだ正式には決まっていないが、彼らの話は納得できた。何らかの契約はしてみたいとは思う。会食を断って急いでキミの元へ帰ってきたけどね」

いつものジェイドさんらしく、甘い声でウインクまでしてきた。

「そうかぁ。でもなんか今日はもう色々ありすぎて食欲ないよ」
「同感だ。アルコールを摂取したら眠ろうかな」

ネクタイを緩めたジェイドさんに、私は気になることがあったので近づいてみる。
ソファに深く座ったジェイドさんの後ろに回り込むと、クンクンと匂いを嗅いでみた。
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