溺愛クルーズ~偽フィアンセは英国紳士!?~
なるほど。
でも、甲斐には最後の7日目までは一緒の船に居るのは何だか嫌だなとか内心では思ってしまう。
この階の上に甲斐が居ると思うと、何だか不思議な気分だった。
「ナホ」
「あ、ごめん。ボーっとしてたかも」
ワインを揺らしながら笑うと、ジェイドさんもやっと砕けた調子で笑ってくれた。
「俺と二人で居る時は、もう他の男の話は止めよう。今は俺の婚約者なのだから」
グラスを持つ手を握られて、情熱的に、甘くそう囁かれたら、勘違いしてしまいそうになる。
慌てて手を振りほどいて、立ち上がる。
「そうですよね。やっぱ、早く甲斐の匂いを消したいから、シャワー先に使ってもいいですか?」
「もちろん、構わないよ」
ジェイドさんはグラスに入っていたワインを一気に飲み干すと、またすぐにグラスの半分まで入れてグラスを揺らした。
頭を冷やしたくて私もすぐにバスルームへと向かった。