溺愛クルーズ~偽フィアンセは英国紳士!?~
「手先が不器用なのかな」
お腹部分がふっくらと膨れず、右に寄ったり左に寄ったり。
お腹部分に指を入れて、内側から押して整えれば良いのかもしれないけど、そんなことしたら、今度は顔まで壊れてしまいそう。
「俺は、ボールペンの先を入れたりしてたよ」
「なるほど」
ジェイドさんに渡すと、テーブルに置かれていたペンで形を整えていく。
どこよりも早くヒヨコが出来て、しかも可愛くてちょっと嬉しい。
「ジェイドさんって何でも出来て――凄いですね」
「ああ。よく言われる」
「謙遜しない辺りも流石」
「それも褒め言葉だ。自信がないと俺を信じてくれる人に失礼だからね」
でもそれは確かにそうかもしれない。
だから魅力的なんだ。
「でも、私も一つ知ってますよ」
「何かな?」
「弟さんの話になると顔が破綻しますよね」
「そうか!?」
慌てて顔を手で覆うジェイドさんはちょっぴり可愛らしかった。
「家族を褒めれる人って素敵ですよ。謙遜して悪いところばかり言う人より」
「――今日は、ナホがいつも以上に可愛いぞ。どうしたんだ」