溺愛クルーズ~偽フィアンセは英国紳士!?~
「外国の男の人って皆、ジェイドさんみたいなんですかね」
「失礼な。俺みたいな良い男はそうそう居ないぞ」
「そうでした。ジェイドさんみたいな超絶ファミニストはそうそう居ませんね」
「ちょっと言葉に刺が感じられるぞ」
ジェイドさんは悪気はないというか無自覚なんだろうけど、ちょっと天然が入っていると思う。
エスカレータで上の階へ上がりながら、そんな他愛ない会話一つ一つが楽しくて、何気ない会話も心に染みるのは、明日には彼が隣に居ないと分かっているからなのかも。
「あ」
「これはこれは、ブラフォード船長」
『バイキング・ジェード・ラウンジ』と書かれたビッフェレストランの前で、甲斐とその叔父さんが今まさに入ろうとしていた。
ああ。もう少し、ほんの数分遅れてくれば顔も見ないで済んだのに。