溺愛クルーズ~偽フィアンセは英国紳士!?~

それを私に説明しろと?

真っ青になる専務に、言葉を失う甲斐の前で、自分を軽んじる言葉の意味を。

「英語では存在しない意味です。もういいでしょ? 私、焼き立てのパンが食べたい」

わざと不機嫌そうに、もうこの話を広げたくないと話題をすり替えようとしたのに、ジェイドさんが私の腕を掴み皿を奪った。

「Mr.カイ。質問を変えよう。今、そちらの方は俺の婚約者に失礼な振る舞いをしなかったか?」

「ジェイドさん……」

お皿を、ウエイトレスのように持ったまま、彫刻のように美しく笑っている。
本当に作られたように。
私が言わないと分かると、笑顔で甲斐を脅している。
甲斐もその笑顔の圧力に平伏していた。

私なら平気なのに。

「確かに俺も今のは失礼だと注意しようと思ってました。すみません」

私の前で修羅場が起り始めた。
思い溜息と共に、私の目の前で焼き立てパンもどんどん取りに来た人たちに取られて行く。

嗚呼、最悪。

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