溺愛クルーズ~偽フィアンセは英国紳士!?~
「私はもう甲斐の会社は辞めます。だから、私を仕事に巻きこまないでください。もうこれでその話は止めにしましょう、ね?」
テンションがすっかり下がってしまった私に、ジェイドさんは首を振る。
「それでは俺の腹が虫がおさまらない。ナホがそんな辛い顔をしているのに、ご飯なんて食べられるか」
「私はいいの。二人でゆっくりしたい。今日で最後だよ? 最後ぐらいジェイドさんの時間を全部頂戴」
そう訴えたのに、ジェイドさんは辺りを見渡して、壁一面の窓ガラスから下を見下ろした。
プールや小さなスポーツコート、水上サーフィンが見える。
「Mr.甲斐。俺はまだ、君がナホを泣かせた事を許していない上にこの失態。このままでは気持ちよく仕事ができない。そう思わないか」
「ジェイドさん!」
「そうですね。では、俺は今回の企画から降りて誰か別の」
「Mr.甲斐。キミの代わりなんて居ないよ」
そう言うと、窓の下を指差す。