溺愛クルーズ~偽フィアンセは英国紳士!?~
「どれかキミの得意なスポーツで勝負しよう。ただし、ナホとの時間優先で手短い勝負。俺に勝てたら全て水に流してキミとビジネスをしよう」
「ちょっとっそんな」
「では、バスケの一対一で勝負しましょう」
「ちょっと!」
「よし」
「ちょっとってば!」
今にも飛び出していきそうな二人を慌てて止めた。冗談じゃない!
「今日まではジェイドさんの時間は私のモノなんだから! 邪魔しないでっ」
ぽろっと言ってしまった暴言ぐらいで、会社の命運を賭けて勝負なんて冗談じゃない。――私はジェイドさんとまだ一緒に居たい。
離れたく、ない、のに。
そう素直に思うと、思いが込み上げてきそうで必死で唇を噛みしめた。
「すまない。イギリス人は賭け事となると熱くなるから」
「バスケなら、私だってバスケ経験者だったんから相手します。まずはランチビュッフェを楽しんでからにしましょ?」
上手に笑えただろうか。
不安になったけど、ジェイドさんの目尻が優しくなったから、少しホッとした。