溺愛クルーズ~偽フィアンセは英国紳士!?~


一旦、そう言って下がった癖に、甲斐の目もギラギラと闘志に燃えていた。

今、引いてくれたのは、彼なりの私への気遣いなんだと思う。
やんわりと自分の会社との継続も視野に入れた発言だったけど。

「邪魔したな」

だから、私の目の前を去って行く時は、清々しい顔をしていた。

応援はできないけれど、心配はしてくれる甲斐なりの優しさ。

「ナホ。どうだ?」
「ありがとう。スッキリしたよ!」

甲斐に謝って貰って許したとしても、きっとモヤモヤは晴れはしなかったから。

こうして、私の代わりに怒って解決してくれようとする彼の優しさに、私の気持ちは清々しく晴れ渡っていた。


「ってか、リーチの差が酷いよね。大人と子供みたいだったもん」
「生まれ持ったものの生かさないでどうする」

得意げに笑うジェイドさんを見て私もメラメラと負けん気が疼いていく。

彼に勝ちたいと思う私の気持ちが。

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