溺愛クルーズ~偽フィアンセは英国紳士!?~
違和感を感じる足先に注意を払いつつ、気付かれないように寄りそって歩いた。
ブラウさんたちが必死で探してくれた靴が、ちょっとだけサイズが大きかったのは絶対に内緒にしよう。
だって、こんなにも私は満たされているんだもん。
セントラルの階段を下りて、がやがやと賑やかなクイーンズ・フォールにコンシェルジュさんたちが扉を開けてくれて、ゆっくりと入っていく。
いくつものシャンデリアの下、オーケストラの生演奏の中、ダンスを踊っている外国人達が何組もいた。
壁際には、長いテーブルの上に食事が置かれていて、バルコニーに用意されたテーブルで食べている人もいる。
連れ添いの人と雑談している様子だけど、私たちが入って来た瞬間、フォール内の視線を全身に浴びて身体が強張ってしまった。
「大丈夫。キミは誰よりも綺麗だから緊張しないで、ナホ」