溺愛クルーズ~偽フィアンセは英国紳士!?~
背中に手を回してくれたジェイドさんの案内の元、ウェルカムシャンパンを受け取った。
話しかけたいのか、視線がバシバシ感じられたけど、ジェイドさんは誰とも目を合わさず、私の隣に寄りそったまま。
それに気付いた他の人たちは、また思い思いに動きだしていく。
ピンクゴールドのウェルカムシャンパンが、ドレスにピッタリだった。
きっと出てくる飲み物も把握してくれてこのドレスにしてくれたんだと思う。
「こんな……こんな素敵なドレス、本当にありがとうございました」
「困ったな。素直なナホは、更に可愛い」
肩をすぼめて彼は言うけれど、私は真っ直ぐに目を見て伝えたかった。
「思い出したら――嬉しすぎて涙が出てきてしまいそうなことばかり。トラブルを目撃しただけなのに、7日間も付きあってくれて本当に楽しかった。でも、――いや、だから私」
聞いておきたいことがあった。
ジェイドさんの大切な人、『サクラ』さんの事について。