溺愛クルーズ~偽フィアンセは英国紳士!?~
二人におかしい言動を見せるわけも行かずに、ゆっくりとリズムを取る。
ジェイドさんが腰を支えてくれた腕で、上手くリードしてくれたから、ダンスの知識のいらない。
ゆらゆらと、波の様にスカートを揺らして、見つめ合い――微笑みあっていた。
結局、聞くタイミングを逃したまま。
さっき、なんて言ったの?
それとも、0時の魔法が解けるまで聞いたらいけない?
いっぱい色んな考えがぐるぐると頭の中で渦を巻いていく。
今の楽しい時間を壊したくなくて、声が出なかった。
ケイリーさんもブラウさんも気づいていない。
誰も――。
「ナホ、バルコニーへ行こう」
チクリと胸が痛んだ瞬間、ジェイドさんに抱きしめられた。
「え」
そのまま抱きあげられたジェイドさんの高い鼻が、私の首筋に当たって身体が強張ってしまう。
ブラウさんたちが、照れて視線を壁の方へ向ける中、私たちはダンスの途中でバルコニーへ向かった。