溺愛クルーズ~偽フィアンセは英国紳士!?~
リムジンに乗り込むと、ジェイドさんもそのまま一緒に乗り込んできた。
「今日はキミのお父さんが家に居ると聞いてね。今しかないと思ったんだ」
「今しかないって」
「キミの力を貸してほしい。プロジェクトにも――プライベートでも」
無茶苦茶だ。
無茶苦茶言ってるのに、あの甘く滲ませる翡翠色の瞳が憎らしい。
「キミを攫ってもいいね?」
「さらうって、どこにですか」
「英国の俺の家に。すぐには無理でも必ず、攫う。だから、挨拶に行かせてくれ」
手を取られ、彼に貰っていた指輪に指を這わせる。
キスしそうなスレスレで見つめ合いながら、彼が私を酔わせていく。
でも、この数日間、言葉にしなかったのは私も心のどこかでジェイドさんを信じていたから。
だから、あの場所でああいって攫ってくれて嬉しい。
皆が見ている前で、嘘偽りが無いと誓ってくれたみたいで嬉しいんだ。