溺愛クルーズ~偽フィアンセは英国紳士!?~
中央のエレベータで2Fのショッピング街へ降りたけど、全身ガラスで船内が一望できた。
大型ショッピングモールが海の上を走っているようなものなんだ。
私、本当にとんでもない豪華客船に、乗ってしまったんだと改めて気付かされた。
日本へ帰りたいと泣いたのは私だけど、飛行機だったら今頃帰りついていたと思うと、これで良かったのだと思う。
甲斐との事情を知る友人達に、ハワイ支社へ甲斐と研修に行った私が一日でとんぼ帰りなんてきっと色々探られてしまうし。
ショッピングモールには、様々なブランドが並んでいて大人買いするセレブがちらほらと居る。ジェイドさんはそのまま一番奥のオーダーメイドの店に行くと、先ほどのブラックカードを店員へ渡した。
「ディナー用の服が欲しい。最後の夜までに間に合うかな?」
「畏まりました。どんな色がいいでしょうか」
店員さんの瞳が輝きだすと、私の顔を見て微笑む。
「彼女には、控え目なピンクが可愛いと思うのだが、プロから見てどうだろうか」