溺愛クルーズ~偽フィアンセは英国紳士!?~

「ピンク、素敵です。小花柄だとより可愛いかと」
「じゃあ、それと靴と似合う装飾品も頼めるかな」
「もちろんです」

トントン拍子で話が進んでいますが、私の意見は聞かないんだろうか。

私物で良ければ、ジーンズとTシャツとかあるけど、この客船じゃ浮いてしまうってことなのかな?

よくよく見れば、ジェイドさんのジャケットや昨日借りたコート、サングラスといった細部までブランド品で統一していた。
 私みたいに一般人が踏み込んではいけない場所だった?

「どうした? 真っ青な顔で挙動不審だが」

ジェイドさんが不思議そうに私を覗きこむけど、冷静でいられる状況じゃない。
本当の婚約者ならジェイドさんと同じ生活水準だから平気だと思うけど。

「わ、私、そんなにお金ないです。その、オーダーメイドではなくて市販ので大丈夫なので」

 そんな、たださえ一人暮らしで貯金もなかなか貯まらないのに、何万、いや何十万もする服なんて頼めない。
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