溺愛クルーズ~偽フィアンセは英国紳士!?~


オーダーメイドは最終日にしか出来ないみたいだけど、他の正装の服なら着られる。
せっかくだから、彼の自慢の船内をちゃんと見ておきたいのも本当だった。


「了解だ。キミに渡したいものもあるし、そうしよう」

妙に浮足立ったジェイドさんの言葉も気になるけれど、劇場とかカジノも正装って決められているから中がちょっと気になるんだよね。
小さな動物園ってのも行ってみたいな。

わくわくしながらどんどんパンケーキを口に運んでいたら、ケイリーさんが珈琲を運んで来たのでびっくりした。
ブラックカードを持っているジェイドさんには、店員じゃなくてコンシェルジュが全部世話をするのかと呆然としてしまったが、どうやら違うようだ。

ケイリーさんがジェイドさんに耳打ちすると、珈琲を飲みながら、あからさまに怪訝そうな露骨な顔をジェイドさんが浮かべる。

「俺は休暇中だ。君から断ってくれるか?」
「ですが、社長経由ですので」
「……」
無言になるジェイドさんと困った顔で笑うケイリーさん。

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