溺愛クルーズ~偽フィアンセは英国紳士!?~
そうなんだ。豪華客船の船長ってやっぱVIPな横の繋がりがいっぱいあるんだろうな。
何だか途端にジェイドさんが遠くの、雲の上の様な存在に思えた。
いくら一緒に笑い合ったとしても、身分が違いすぎるんだ。
その女優だって、きっとジェイドさんが女と休暇を聞いて慌てて連絡してきたのかもしれない。
そう思うと、その女優の気持ちを私が邪魔してしまっていいのだろうか。
どんどん不安になっていく。
「ご安心ください、美山さま」
「はい?」
ちびちびとジュースを飲む私に、ケイリ―さんは優しく微笑みながら言う。
「女優の方は、御齢83歳です。ジェイド様を孫の様に可愛がって下さっている方です」
「孫……」
確かに、年上からのモテそうな人だけど。
「兼ねてより日本に大切な女性が居ると常々ジェイド様は仰っておりましたから美山様のことを本当に大切に思っておられますよ」
兼ねてより……?
私と彼は昨日初めて会ったのですが。