溺愛クルーズ~偽フィアンセは英国紳士!?~

そう言えば、婚約者を偽装してまで休暇をとって会いたい女性がいるとジェイドさんも言ってた気がする。

私に7日間は楽しんでもらうために詳細は言わないつもりなのかな。
私に向ける笑顔も、甘い言葉も、この時間を楽しんでもらおうとしている彼の優しさに思えたら、――ちょっただけ夢の中にいるんだと現実が教えてくれた。


「ケイリ―さん。洋服着替える前にヘアサロンとかエステがあったら行きたいな、とか思ったりするんですが」
「案内しますよ」

流石。何でも有るんだな。この船は。

「ミュージカルや動物園は御二人で回った方が楽しいですからね。では、御連れ致します」

いつ戻るかも分からないジェイドさんを待つのは止めて、私は自分の足で歩きだす。
全て決めて貰って、全て甘えていたらきっと、


きっと夢から覚めたら空しさが残ると思うから。

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