溺愛クルーズ~偽フィアンセは英国紳士!?~

と思ったのも束の間。
部屋に戻ると、リビングのテーブルに、ウェルカムサービスかと眼を疑いたくなるような、フルーツ、スイーツ、ワインに日本食に花束まで置いてある。

「ケイリ―?」

流石のジェイドさんも首を傾げて、ケイリ―さんを呼ぶと彼も困ったように苦笑した。

「美山さまへのお見舞いの品々でございます」
「ええ? 私に?」
有名店ばかりだし、美味しそうだし嬉しいけど、誰が私に?
「これでも減らしたのですよ。私は、言ってませんが、昨日お医者様が此方に診察に行ったのがコンシェルジュの間で瞬く間に広まって。船長の婚約者が寝込んでいる。このクルーズで嫌な思いをさせたら、船長にも申し訳ないとかなんとか」
「プライベートだからと、不用意に話しかけて来なかったくせにあいつら」
ジェイドさんまで苦笑しているけど、嬉しそう。

ジェイドさんの婚約者として心配されているのは、ちょっと複雑だけど、

でもこれも彼の人望あり気のことだから、素直に感謝しようと思う。

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