溺愛クルーズ~偽フィアンセは英国紳士!?~
「ありがとうございます。うれしい」
例え、嘘の婚約者としても。
今、此処で契約を白紙に戻せば、ジェイドさんの立場も悪くなるし、皆の期待を裏切ってしまうんだ。
だったら、――上手に演じよう。
船の上にいる間だけは。
「朝ごはんはフルーツいっぱい食べようよ。あ、苺があるー」
「そうだな。今日はもうデリバリーの必要は無いな」
「後でお礼を言って回らなきゃだね」
穏やかな会話をしながら、バルコニーでフルーツの山盛りを食べる。
食べ終わったぐらいに、まだ日本では公開前の映画を何作かピックアップして、それを見ながらベットで安静にすることになった。
ツインのベットの足元の方の壁にモニターが降りてきて、カーテンを閉めて何を見るのかわくわく胸を躍らせる。
始まった映画は、ホラー映画だった。隣のベットで寝ころんで見ているジェイドさんは、いつも通りの表情だ。ちょっぴり怖いものが苦手な私は、言い出せないまま大人しく見るしかなかった。
「この前電話してきた、大物女優が出ているよ。彼女の人間の本性を曝け出す演技派本当に素晴らしい」