溺愛クルーズ~偽フィアンセは英国紳士!?~

「英国紳士を名乗れるほどの名家に引き取られたが、弟も日本が好きで土地や財の管理に興味が無く、義父母達も、俺が後を継いでくれたらと呑気だった。
だがら、海の上へ逃げた。俺も弟の財産に興味が無かったし、親戚たちが良い顔をしないだろうと分かっていたから」

金持ちには金持ちなりに苦労するんだなって、そんな感想しかでないような、ジェイドさんの軽い口ぶりにリアクションが思い浮かばない。
きっともっと色々悩んだり、辛かったり、複雑だっただろうに、不満は無いみたいだ。
ハムスターのように頬袋をこさえて、マスカットを食べている。

「後から知ったんだが、俺が入社したクルーズ会社は、金儲け優先で客船を作る材料や費用をケチったり横領したり、かなり杜撰だったようだ。お陰で、クルーズ中に、酷い嵐に巻き込まれ海の上で傾き沈没」

「沈没……って乗ってた人達は?」
「逃げだした客員以外も、無事だったよ。俺と、今の会社の社長たちで頑張って脱出したり救助したからね」

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