溺愛クルーズ~偽フィアンセは英国紳士!?~

穏やかな彼の表情に、私もどうすればいいのか分からずに、言われるがまま座る。

「ジェイドさんは、貴方を『大切なゲスト』だと私に説明致しました。だから、偽りとか嘘とか、私には関係ありません。私は、貴方に7日間、ただお仕えできるだけで幸せです」

「でも……」

「私が提案した嘘でした。ジェイドさんが休みもとらず、大事にされている弟様の結婚式にも参加できなかったのを見かねて、私が流した嘘です。きっと弟に婚約者を合わせたいのだろう。ジェイドさんにお休みを作って差し上げようと。ジェイさんも会いたい人が日本にいるからと。了承して下さいました。日本へ行けば、私たちでもみ消してしまおうと思っていた嘘。美山様は何も気になさらず大丈夫ですよ」

紅茶の隣に置かれたのは、貝殻の形のチョコレートだった。
上手く話せず、焦る私をリラックスしてくれようとケイリ―さんの優しさが詰まっているチョコレート。
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