雷獣

「はいはい、じゃまたな”お姫さん”」

私の頭をポンポンと叩くと去って行った。
キーンコーンカーンコーン。
授業終わりのチャイムがシーンとした廊下に鳴り響いた。

色々な疑問を抱えながら教室に向かう。
”1-3”クラスの表示を見上げてドアをあけようとすると先にドアが開いた。

「っあ....。篠崎さん....。」

「どーも。」
男子クラスメイトをよけながら教室に入る。
シーンとする教室。気にしないでお喋り続ければいいのに。
入学式にの時名前順だったから...。
入口から奥の席に向かうと

「あ、あの...。もしかして席探してる?」

「うん。」

「席替えしたから篠崎さんの席はあそこだよ。」
そう指差しされた方はど真ん中の一番前。

わ、最悪だな...。

「そう、ありがとう」
教えてくれた女子にお礼を言って席の引き出しを見る
引き出しには探している教科書はない。

「....。ロッカーは場所変わってないよね?」
さっき教えてくれた女子に聞く。

「うん、主席番号のままだよ」
窓側に置いてあるロッカーに向かうと人が避けて道が出来た。
いやいや、私は危険人物か何か??

そんな扱いに目を潜ませていればどこからか
息をのむ声が聞こえたり、小さな悲鳴が聞こえる。


< 103 / 306 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop