俺様御曹司の悩殺プロポーズ
理由を考えて頭に浮かんだのは、数ヶ月前のあの出来事。
毛糸のパンツを披露してしまった年末特番のあと、
私は風原さんに、控え室に連れ込まれた。
耳元で生声を初めて聞き、ハウン!となってしまったあの控え室も……
確か、37番だったような?
“楽屋37番まで来い”という文面に、嫌な予感がした。
局内でハウンはやめて欲しい。
いや、局外でもハウンになれば、意識が半分ふっ飛ぶから怖い。
どうしようと、スマホを手に迷っていた。
メールに気付かなかったことにしようか……?
そうだ、それがいい!と決めた直後に、二通目が。
《30秒以内に来ないと、耳元で囁くぞ》
ひぃぃぃぃっ!!
行かないと、確実にハウンな目に合わされる!
やりかけの仕事を投げ出し、報道フロアを飛び出した。
エレベーターを待っていられず、階段を駆け上がり、
使用中の札を下げた、37番控え室に飛び込んだ。
ゼーハーゼーハー息を乱して膝に両手を付く私。
長い足を組み、ゆったりソファーに腰掛けている風原さんは、
「28秒。セーフだな」
そう言って、ニヤリ笑っていた。