俺様御曹司の悩殺プロポーズ
「風原さん、私が食べさせてあげますから。
はい、アーンして下さい!」
彼の唇には、鰻のタレがぺったりと。
完全に主導権を握ったつもりで、調子に乗ってそう言った。
すると、不機嫌そうに睨んでいた風原さんが、
一拍置いて、ニヤリと笑った。
そして、パクリと鰻を口にする。
やった!食べさせた!と、喜んでいいのかわからなかった。
ニヤリと笑う彼は、何かを企んでいそう……。
台本をテーブルにバサリと投げ置いた彼は、
ソファーの背もたれに片腕をかけ、私の方に体を向ける。
唇についた鰻のタレを舌先でゆっくり舐め取る仕草に、ドキリとしてしまった。
いつも涼しげな瞳にポウッと色が灯り、
右目の目尻にある小さなホクロが、なぜか色っぽく見え始めた。
な、なに……?
もしかして私、変なスイッチ押しちゃったとか……?