俺様御曹司の悩殺プロポーズ
今の風原さんは、危険生物。
フェロモン垂れ流し状態のハンサムフェイスを直視できずに、
顔を背けた。
床に落ちている鰻重の包みに視線を逸らして、
「落ち着け!」と自分に言い聞かせてみる。
ところが、顎先をつままれ、強制的に顔を戻されてしまった。
顔の距離が……近い。
およそ20cmの近距離で見つめ合ってしまい、頭がクラクラして、目眩がしそう。
状況は、ヤバイから激ヤバに、一段階上がっていた。
「小春……」
いつもは“お前”なのに、こんな時だけ名前を呼ぶ彼は、確信犯。
元々私好みの声に、わざと色気を混ぜて、
体の奥がゾクゾク痺れるほどの、艶めいた声を作っている。
そんなフェロモンボイスで、彼は喋る。
「俺に鰻を食べさせて、何されたいんだ?」
と。