俺様御曹司の悩殺プロポーズ
風原さんゲイ疑惑が浮上して、一人でアワアワしていると、
独り言のような呟きが、隣から聞こえた。
「お前って、思考がズレているよな……。
男に口説かれた経験がないから、わからないのか……」
し、失礼な!
私にだって、彼氏くらい過去にいました!
それは女子大生になり立ての頃。
初彼に浮かれていたのに、他にもたくさん彼女がいると知って、
文句を言ったら、「ウゼェ」と言われて捨てられた。
過去の苦い男性経験を思い出させられて、
ふんぬー!といきり立った私。
エクレアの箱を抱えて立ち上がり、風原さんに背を向けた。
「帰るのか?」
「帰ります。お邪魔しました!」
ドスドスとリビングを出て行く私を、彼は玄関まで送ってくれた。
靴を履いている私に、彼は言う。
「おい、明日は一人で帰らずに、俺を待っていろ。
帰りに飯食いに行くぞ」
「え……?」