俺様御曹司の悩殺プロポーズ
ドキドキしながら風原さんの背中にしがみついていたのは、たったの数分間。
バイクは遅刻になる5分前に、無事に八重桜スタジオに到着した。
バイクから下りてヘルメットを返し、腰に巻いていたスーツのジャケットを外した。
仕立てのよいスーツの袖は、結び目の跡が付き、シワだらけ。
「わっ、どうしよう!」
慌てる私の手からジャケットを取り上げた彼は、
何を血迷ったのか、メイク崩れが激しい私の顔をそのジャケットでゴシゴシと擦り出した。
「ぷあっ!か、風原さん!?
ギャー大変!高級スーツにメイクが!」
ライトグレーの生地には当然、ファンデーションやらマスカラがペッタリと付いてしまった。
悲鳴に近い驚きの声を上げる私を見て、
風原さんは「アハハ」と声を上げ、楽しそうに笑った。