俺様御曹司の悩殺プロポーズ
 


花ちゃんは私達の後ろで、オロオロしていた。


佐川アナは呆れた顔して、私に冷たい視線を流すだけ。



私は……空気が抜けた風船のように、怒りがシオシオとしぼんで、

風原さんと目を合わせていられず、俯いた。



――佐川アナに手を上げたら、風原さんが私を番組から下ろす――


彼に言われたその言葉が、鋭利な刃物のように、胸にグッサリと突き刺さっていた。



風原さんにとって大事なのは、やっぱり私じゃなく、佐川アナみたい……。



そんなの、初めからわかっていた。


わかっていたつもりなのに……

どうして私は、こんなに悲しいのだろう……。



手早く続きのメイクを終えた佐川アナが、ケープを外して椅子から立ち上がった。


ハイヒールをコツコツと鳴らし、メイク室から無言で出て行こうとしている彼女を、

風原さんが呼び止めた。



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