俺様御曹司の悩殺プロポーズ
私の存在価値は、牛のフン以下。
牛のフンは畑の堆肥になるし、私なんかよりよっぽど役に立つ。
私、ここに何しに来たんだろう?
自分がチンチクリンな役立たずだと、思い知るために来たのかな?
訛りから離れるために、地元の友達や家族との電話を禁止させれているけど、
今ものすごく田舎が恋しくなった。
「うちの小春が一番めんこい」と言ってくれる、じぃちゃん、ばぁちゃんに会いたい。
“春っぺ”と呼んでくれる、北海道放送局の仲間のもとに帰りたい!
「おい小春、なぜそんなに離れた椅子に座るんだ?」
風原さんに、そう聞かれた。
メイク室のL字型に10個並んだ椅子の内、
風原さんはいつもの入口から4番目の椅子に座っていた。
私には指定席がないけれど、空いていれば大抵は、風原さんの隣に座る。
でも今は……少しでも離れたくて、一番奥の椅子に小さく丸まって座っていた。
「私なんか……」とブツブツ呟きながら。