俺様御曹司の悩殺プロポーズ
ギクリとして、足を止めた。
今日の私は何もかもがダメダメで、
今朝のように、また怒られるのではないかと、通話に出るのをためらってしまった。
数秒迷ったけど、無視することはできずに、諦めてスマホを耳に当てた。
怒られるにしろ、「番組から下りろ」と言われるにしろ、
今逃げても、後で同じことを言われるだけ。
見限られる現実からは、逃げられないのだから。
「もしもし」
「俺だ……」
きっと怒られる。
「仕事に集中できないなら地元に帰れ」そんな言葉を言われるはず。
悪い予想に身構えて通話に出たのに、
聞こえてきたのは、意外な言葉だった。
「悪かった。かなり時間が掛かってしまった」
「え?」
怒られるのではなく、なぜか謝られた。
時間が掛かったって……
何の時間が?
謝られる理由がさっぱりわからず戸惑う私に、風原さんはこう続けた。
「やっと犯人を見つけた。
俺が中々突き止められなかったせいで、お前には嫌な思いをさせてしまった……悪かったな。
だが、もう安心していい。
これから犯人を呼び出してカタを付けるから、お前も来い。
今どこにいる?迎えに行くか?」
「局を出たばかりなので、迎えはいらないですけど……」