俺様御曹司の悩殺プロポーズ
風原さんの説明で、私の心はすっかり中村アナを疑う側に傾いていた。
一歩足を引いて彼女と距離を取り、呟いた。
「中村さん……どうして……」
「ち、違う! 私じゃないと言っているでしょう?
上野のメールが宛先不明で戻った理由なんて、知らないわよ!
サーバーに不具合でもあったんじゃないの?
どうしても私を犯人に仕立て上げたいのなら、直接証拠を見せなさいよ!
こんなので犯人扱いされたら、たまったものじゃないわ!」
まくし立てる彼女の言い分に、私は困ってしまった。
確かに状況証拠を繋ぎ合わせただけの推論で、決定打に欠ける。
直接証拠を持っていないこちらとしては、違うと言い張られたらそれまでになってしまう。
困るばかりで何も言えない私と、風原さんは違った。
待ってましたとばかりに、彼は口を開いた。
「直接証拠ならありますよ。
少し待って下されば、お見せできると思います」
直接証拠を持っている……?
ポカンと口を開けて間抜け面をさらす私と、
眉間にシワを寄せる中村アナ。
口の端をわずかに吊り上げ、裏の顔して笑いそうになるのを我慢している風原さん。
その時、控え室の外の廊下に、カツカツとハイヒールの足音が響いてきた。
その音は徐々に大きくなり、この部屋の前で止まる。
皆の視線が集まる中でノックもなしにドアが開けられ、
入ってきたのは、なぜか佐川亜梨沙だった。