俺様御曹司の悩殺プロポーズ
彼女は不機嫌そうに顔をしかめていた。
真っすぐに風原さんまで進み、何かを手渡しこう言った。
「私の中の風原さんのイメージが変わったわ。
本当のあなたは、忙しい私に雑用をやらせる困った人なのね」
「ハハッ 確かにこれは雑用ですね。すみませんでした。
佐川さんにも関わってもらいたいと思ったもので、許して下さい。
一度は犯人呼ばわりされたあなたとしても、真犯人に一言文句を言いたいのでは?」
「真犯人……それが、中村さんだったというわけね。正直驚いたわ」
佐川アナは中村アナに、大きな瞳で強い視線をぶつけていた。
中村アナは片足を引く。
彼女の方が二年先輩なのに、圧倒的に迫力負けしていた。
風原さんは佐川アナから受け取った物を確かめてから、私達に見せた。
一つは、すっかり見慣れたウサギのキャラクターのメモ用紙。
それに今回は『早くクビになれ』と書かれていた。
もう一つは、手の平サイズの小型特殊ビデオカメラ。
“映像センター機材部”と書かれたシールが貼られているので、局の物みたい。