俺様御曹司の悩殺プロポーズ
 


中村アナに心底嫌そうな視線を向けられ、私は肩を落として俯いた。


彼女の言葉の一つ一つが、グッサリ胸に突き刺さる。


優しい笑顔の裏で、本当はそんな風に思っていたのかと、悲しくなった。



そして、それはきっと、中村アナだけではないのだろう。



佐川アナも他のアナウンス部の人達も、スタッフさんも、

実力不足のラッキーガールの私を、疎ましく思っているに違いない。



人に嫌われのって、結構心が痛むよね……。



しょんぼりと俯く私の頭に、大きな手の平が乗せられた。


俺は味方だと言ってくれるかのように。



風原さんは幾分声を鋭くして、中村アナを諭してくれた。



「中村さん、八つ当たりという言葉をご存知ですか?


火曜のコーナーの変更は、日野さんのせいではありません。

制作サイドが、より視聴率を取れるように考えた結果です。


現にスイーツ探偵の視聴率は、回を重ねるごとに上がっている。

視聴者からの反応も上々で、番組ホームページには、好意的なコメントが多数寄せられています。


日野さんはもう、スキルの低い女子アナではありません。

彼女の動向を観察していたのなら、気づくはずでは?

この数ヶ月で日野さんが急成長し、それなりのレベルに達しているということを」



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