俺様御曹司の悩殺プロポーズ
近すぎる端正な顔にパニックになりながら、
「ちょっと待って下さい!」
と、彼の胸を両手で押してキスを阻止した。
すると風原さんはアッサリと私を離し、
「そうだな、マズイな」
と口にする。
「そ、そうですよ!
私のキスに何の価値もないし、お礼にはならない……って、え?
風原さん、何やっているんですか?」
風原さんが「マズイ」と言った意味は、私が思うものとは大分違った。
彼はドアまで行って鍵を閉め、スタスタと私の前まで戻って来る。
「誰かに見られたらマズイ。
鍵を閉めてからじゃないとな」
「鍵? あの、そうじゃなくて私とキスしても……えっ!?」
膝裏と背中に逞しい腕が回され、体がふわりと浮いた。
急に視界が傾いたので、慌てて風原さんの首にしがみつく。
これはもしや……お姫様抱っこなの!?
私を抱える風原さんは、何だかとっても楽しそう。
私だけ疑問符だらけの頭を抱えて、対処しきれない状況にパニックは継続中だった。