俺様御曹司の悩殺プロポーズ
なるべく笑顔で同じテーブルの人達と会話した。
向かいには、私とあまり関わりのないエンタメ担当ディレクターさんと、斜め向かいに、数回話したことのある音声さん。
まともに話すのはこれが初めての二人だけど、とても感じのよいおじさん達で、楽しく食事ができた。
でも……。
始まって一時間もすると、私のテーブルの、いや全てのテーブルの雰囲気が変わっていた。
酔っ払ったおじさんスタッフが、若いADさんを掴まえて、「だからお前はなってない」と説教していた。
頼まれてもいないのに、モノマネをやり出すひともいる。
左隣のテーブルでは、本当か嘘か有名アイドルと過去に付き合っていたと暴露するプロデューサーさんがいて、
右隣のテーブルには、「私はもうこの業界でやっていく自信がないんです!今日で辞めさせて下さい!」と退職を希望する女性スタッフさんがいた。
みんな酔いが回るの早いな……と驚きつつも、私自身も結構酔っていた。
一時間で飲んだのは、乾杯の小ビール一杯と梅酒サワー二杯だけ。
それでも普段は家でアルコールを口にしないので、私にしては過ぎた量。
顔が熱く火照るのを自覚していた。