俺様御曹司の悩殺プロポーズ



私は驚きのあまり、すぐには言葉が出てこなかった。


氷水をかけられた麵堂くんは「何しやがる!」と怒りをあらわにし、

後ろを振り向いた直後に「か、風原さん⁉︎」と、私以上に驚いた顔をしていた。



「麵堂くん、申し訳ない! 私としたことが、つまづいてグラスを落としそうになり、慌てていたら手元が滑って水をかけてしまいました」



風原さんは表向きの顔をして、これはアクシデントなのだと麵堂くんに説明していた。


でも、水をかける瞬間を見てしまった私には、これが事故ではなく故意であるとわかっている。

だって風原さんは、麵堂くんが後ろを振り向くまで、般若みたいな怖い顔をしていたから。


風原さんはどうしようと慌てている風を装いながら、「大丈夫ですか?」とずぶ濡れの彼を心配するフリをしていた。



「あ、はい。
大丈夫と言えば、大丈夫なんですが……」


「そうですか!良かった。あとは、その濡れた服はどうにかしないといけませんね」



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