俺様御曹司の悩殺プロポーズ



「何なのよ」と思う気持ちと、「何があるの?」とワクワクする気持ち、

それから、久しぶりに構ってもらえた喜びを抱えて、階段を上ってビルの外へ出た。



ネオンの灯りで眩しいほどの夜の繁華街でも、空には三日月と星の姿が確認できる。

空を仰ぎ見たあとは、メールの指示通りに右へ真っすぐに歩を進めた。



壁に沿うように歩いて隣の建物との境目まで来た時、

急に誰かに腕を取られて、ビルの間の路地とも呼べない狭い隙間に引っ張り込まれた。



「あっ!」と驚いたのは一瞬だけで、焦ることも慌てることもない。

だってこんなことをする人は、風原さん以外にいないと思っているから。



思った通り、目の前には風原さんがいて、ネオンの光がわずかに届く、ビルの隙間で向かい合った。


彼はコートを着ていないけれど寒そうな素振りはなく、表向きの顔を崩して不機嫌さを全面に表情に表していた。



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