俺様御曹司の悩殺プロポーズ
どうやらひと時の密会に喜んだのは、間違いだったみたい。
「麵堂ごときに触られてんじゃねぇ」
開口一番に、そう怒られてしまった。
「触られてないですよ!
胸に手は伸びてきたけど、結局掠りもしなかったし……」
「それは、俺が止めたからだろ。
水をかけなければ、間違いなく触られていたぞ?
それに胸だけじゃない。手も撫でられていたよな?」
「そ、それはそうですけど……」
手くらいは大目に見てもいい気がした。
初対面の人とも握手をしたり、普通に触れ合う部位だから。
お互いに酔っていたことも加味すれば、怒られるほどのことではないと思うのに。
そんな反論をぶつぶつ呟いていると、呆れの溜め息が上から降ってきた。
「まったくお前は……」
そんな言葉と共に、左手を風原さんに掴まれる。
その手は彼の顔前まで持ち上げられて、甲に唇が押し当てられた。
更には熱い舌先で、そこをくすぐるように舐められてしまう。
たちまち耳まで真っ赤になる私に、彼はニヤリと笑って言った。
「消毒しておいた。
お前に触れていい男は、俺だけだ。これからは覚えておけ」
「はい……」