俺様御曹司の悩殺プロポーズ
私の背中を撫でてくれる優しい腕から、彼の気持ちが伝わってくる。
これでもうしばらくは、淋しさに耐えられそうな気がした。
それから数分して私は涙を収め、風原さんは私を腕の中から離した。
「小春、正月のスケジュールは?」
突然そんなことを聞かれた。
年末年始は特別番組が続くので、モーニング・ウインドもお休み。
正月特番の仕事は一つだけ与えてもらったけど、生放送ではなく取って出しの番組で、その収録は既に終わっていた。
つまり、年末年始の私は暇人。
「風原さんと違って私のスケジュールはスッカスカです。暇だからお正月は実家に帰ろうかと」
そう答えていた時、風原さんのスマホにどこかから電話がかかってきた。
通話に出た彼は、「わかりました」とだけ言ってすぐに切った。
「呼んでおいたタクシーが着いた。
お前はそれに乗って帰れ」
「え? まだ忘年会は終わってないですよ?
二次会の参加希望も出していて……」
「だめだ。今すぐ帰れ。お前は普段飲まない癖に、調子に乗って飲み過ぎだぞ。
二回も水をかけるわけにいかないし、お前がいると面倒くさいことになりそうだから、さっさと帰れ」