俺様御曹司の悩殺プロポーズ



目の前にはウッドデッキのような広い広い縁側があり、寒い外気の中に檜の浴槽が、温泉の白い湯気を立ち上らせていた。


その向こう側には、手入れの行き届いた日本庭園が広がっていて、早咲きの椿の花がライトアップされている。


間接照明の中にぼんやりと浮かび上がる露天風呂と、ライトアップされた日本庭園。


その幻想的な美しさに「わあっ!」と感嘆の声を上げて、私は縁側に走り出た。


素敵……。

こんなに素晴らしいお風呂を独り占めできるなんて……贅沢の極みかも。


感動する私に対し、この旅館を良く知っている風原さんは冷静だ。


「おい、寒いから閉めるぞ。戻ってこい」


そう言われて、廊下に戻されてしまった。

ガラス戸を閉めて、外気をシャットアウトする。


「夏なら、ここを開け放って部屋と露天風呂を行き来するのもいいが、冬はきついな」


そう説明したあと風原さんは、私を連れて廊下を進む。


突き当たりには、浴室と書かれた木の引き戸があって、その扉をカラカラ開けると脱衣所と内風呂が現れた。



「内風呂から外の露天風呂に出て行けるから。
両方をゆっくりと楽しめばいい」


「私が先に入ってもいいんですか?」


「ああ。ここの湯は美肌の湯と言われているらしいぞ。ゆっくり入ってこい」



美肌の湯という言葉に、そそられた。

風原さんは私の頭をポンと叩いて、戻っていった。


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