俺様御曹司の悩殺プロポーズ
この別棟自体は古い建物のようだけど、浴室は最近リフォームしたのか、真新しい木の香りが立ち込めている。
洗面台は丸い陶器で椿の絵付けが施され、和モダンな風合い。
アメニティグッズは充実していて、浴衣とタオルも「多すぎでしょ」というくらいに十分に用意されていた。
脱衣籠に脱いだ衣類を入れて、タオルを持って浴室に入る。
中は広すぎず狭すぎず、ちょうどくつろげる親密な広さで落ち着きを感じた。
体を洗ってから湯船に浸かると、
「はぁ〜ぁ〜」と間抜けた声が口から漏れた。
温泉に来るのも随分と久しぶりで、足を伸ばせる浴槽に入るのも久しぶり。
ちょっと熱めのお湯が体も心もリラックスさせてくれて、
ついついあっち方面を意識してしまう恥ずかしい気持ちも、今だけは忘れさせてくれていた。
湯船から出て、高そうなシャンプーで髪を洗った後は、待望の露天風呂に入ろうと思う。
風原さんの説明通り、内風呂から外に繋がる木の開き戸があった。
その取っ手に手を掛けて、ふと思い直して脱衣所に戻った。